株主優待をタダ取り? クロス取引(つなぎ売り)のしくみ
更新: 2026年9月1日 ・ 読了目安 7分
株価が下がる心配を小さくしながら株主優待を受け取る方法として「クロス取引(つなぎ売り)」が知られています。「タダ取り」と呼ばれることがありますが、実際には手数料などの費用がかかり、条件によっては損をすることもあります。この記事では、しくみと費用、うまくいかない場合を順番に説明します。
どういうしくみ?
同じ銘柄を「現物で買う」と「信用取引で売る」の両方を同時に持つ方法です。株価が下がれば現物で損が出ますが、売っている側では同じだけ得が出ます。上がればその逆になります。両方を持つことで、株価が動いても損益が打ち消し合う状態にしたうえで、現物を持っていることで株主優待の権利だけを受け取る、という考え方です。
証券会社では「つなぎ売り」と呼ばれることが多く、優待を目的に使う場合は「優待クロス」とも呼ばれます。
いつまでに買えばいい?
優待や配当を受け取る権利は、会社が決めた権利確定日に株主名簿へ載っているかで決まります。株を買っても、その代金と株の受け渡し(受渡)が終わるまでには時間がかかります。
日本の株式の受渡は約定日の2営業日後です。そのため、権利を受け取れる最後の売買日(権利付最終日)は権利確定日の2営業日前になります。その翌営業日からは「権利落ち」として売買され、買っても権利は受け取れません。
手順は4つ
かかるお金
「タダ取り」と言われますが、少なくとも次の費用がかかります。
費用は会社によって違うため、申し込む前に各社のページで確認してください。とくに配当のある銘柄では、優待は受け取れたのに現金は減ることがあります。
いくらかかる?(かんたんな試算)
費用の大きさをつかむために、仮の数字で計算してみます。実際の金額は銘柄と証券会社によって変わりますので、考え方の目安として見てください。
仮の前提
株価 2,000円の銘柄を 100株(20万円)/権利付最終日に現物買いと一般信用売りを用意し、権利落ち日に現渡し(3日間)/貸株料は年1.1%と仮定/売買手数料が無料のコースを利用/配当は1株20円(100株で2,000円)と仮定
優待の価値がこの費用を下回れば、その差は損になります。
配当のない銘柄なら、この例の費用は貸株料の約18円だけです。配当のある銘柄では、費用の大部分を配当落調整金の差額が占めます。
返済期限が短い区分(短期など)は貸株料の年率が数倍になることがあり、その分だけ費用も増えます。
「制度信用」で売った場合は、これに逆日歩が加わります。金額は事前にわからず、上限もありません。
うまくいかないことがある
クロス取引は「必ず得をする方法」ではありません。よくあるつまずきを挙げます。
一般信用売りができる証券会社の例
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開示ウォッチは、リンク経由での口座開設で紹介料を受け取ることがあります。
各社の制度は公式サイトの記載にもとづきます(2026年9月1日確認)。制度・手数料・貸株料は変更されることがあります。
当ページは特定の銘柄への投資や、特定の取引手法を推奨するものではありません。クロス取引は費用が発生し、条件によっては損失が生じることがあります。